ATOSONE - SUNSHINE MARA(CD)
¥1,100 税込
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あのATOSONEが新しいDJミキサーを手に入れたという。
それはVESTAX PMC-25というロータリー式のものだ。
そしてそのミキサーの柔らかく極上のミックス機能を歓喜と共に使い倒して作り上げたのがこのATOSONEの最新ミックスだろう。
再生すると流れてくるのはジャズ・ロック、ジャズ・ファンク、あるいはソウル・ジャズ、フォーク・ロック……さらにいわゆるライブラリー・ミュージックもある。
呼び名はなんでもいいが、重要な点はヒップホップ文脈のブレイクビーツやサンプリング・ソースあるいはレアグルーヴが中心に選曲されていることだ。これはちょっとした驚きだった。
そしてとにかくビートが鳴りまくっている。
ヒップホップのいわゆる“元ネタ”やブレイクビーツと呼ばれる音楽で構成されたミックスは世の中にゴマンとある。だがしかし、ATOSONEが作り出す作品(それがラップでもアートでも洋服でも、パーティでもそうであるように)が一筋縄でいかないのは、彼のなかにある、退屈なお決まりやセオリーは破壊してやるという性癖が働いているからではないだろうか、と、このミックスを聴いてあらためて強く感じる。
そういう排他的な人間がロータリー式のDJミキサーを使うと、こうやって音楽を解体し構築するのか、と興味深い。
が、それだけではない。
ブレイクビーツがドカドカ鳴り響き、ギターがけたたましい轟音を鳴らし、ピアニストが鍵盤を叩きまくり、ホラー映画のように人が絶叫していても、ATOSONEは選曲と曲順で彼なりのドラマとロマンを貫いているように聴ける。情緒がある。そして優雅さと美しさを失わない。そこに痺れるわけだ。そのお楽しみは特に終盤で味わえる。
二木信
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